この記事について
これはチームや組織が最高のパフォーマンスを発揮するために欠かすことができない7つのステップのうちの三つ目「透明性と⼼理的安全性の確保」です。
- ⾃⾝のマインドセットの変⾰
- プレーヤー気質からの脱却と、コーチングマインドの確⽴
- 透明性と⼼理的安全性の確保
- オープンなコミュニケーションと失敗を恐れない環境づくり
- ミッション・ビジョン・バリューの共有 今回のテーマ
- 組織の⽬的と価値観を全員で作り上げる
- ⽬標の連携
- 組織の⽬標と個⼈の⽬標を結びつける
- 失敗の奨励
- チャレンジを促し、失敗から学ぶ⽂化の醸成
- 適切な権限委譲と尊重
- 次世代リーダーの育成と意思決定の尊重
- テクノロジーの積極活⽤とコラボレーションの促進
- 最新技術と部⾨横断の協⼒で効率と創造性を⾼める
ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)って何?
これまでのステップで、チームが変革を果たすための基盤は整いました。ここから視点を未来に向けてチームのコラボレーションを上げていくための第一歩として必要になってくるのが「ミッション・ビジョン・バリューの共有」です。
では、そもそもミッション・ビジョン・バリュー(MVV)とはどんなものを意味するのでしょうか。既にご存知の方も多いと思いますが、改めてご紹介させて頂きます。
- ミッション(Mission):組織の「存在意義・使命
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問い: 私たちは何のために存在しているのか? 社会に何を提供するのか?
特徴: 組織の根本的な目的であり、時代が変わっても基本的には変わらないものです。(時間軸:現在〜永遠)
- ビジョン(Vision):組織の「目指す姿・未来像」
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問い: ミッションを追求した結果、将来どのような状態になっていたいか?
特徴: 「〇〇年後に業界トップになる」「こんな社会を実現する」といった、ミッションを実現する過程で到達したい中長期的なゴールです。達成されれば新しく更新されます。(時間軸:未来)
- バリュー(Value):組織の「価値観・行動指針」
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問い: ミッションとビジョンを実現するために、私たちは日々どう考え、どう行動すべきか?
特徴: 従業員が迷ったときの判断基準であり、組織のカルチャー(社風)を作る具体的なルールやスタンスです。(時間軸:日々の現在)

MVVをさらにわかりやすく理解するために、「船で海を渡る」というシチュエーションに例えると、以下のようになります。
| 要素 | 船の航海における意味 | 具体例 |
| ミッション | なぜ航海に出るのか(目的) | 「世界中の人々に、新大陸の豊かなスパイスを届けるため」 |
| ビジョン | どこへ向かうのか(目的地) | 「3年後に新大陸の東海岸に到達し、最大の貿易拠点を作る」 |
| バリュー | 船員はどう振る舞うか(ルール) | 「嵐を恐れず挑戦する」「常に仲間を助け合う」「食料は公平に分ける」 |
なぜMVVが必要なのか?
ではなぜチームや組織にMVVが必要なのでしょうか。MVVが明確に言語化され、浸透している組織には次のようなメリットがあるからです。
- 方向性の統一(ベクトルを合わせる): 全従業員が「自分たちはどこに向かっているのか」を理解できるため、部署や個人がバラバラの方向に進むのを防ぎます。
- 判断のブレをなくす: ビジネスにおいて「AかBか」で迷った際、「どちらが私たちのバリューに合っているか?」「どちらがビジョンに近づくか?」という明確な判断基準になります。
- 人材の採用とモチベーション向上: 「給料が良いから」だけでなく、「この組織のミッションに共感したから」という理由で人が集まるようになり、働く上でのやりがいや誇りにつながります。
どうやってMVVを根付かせるか?
MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)は、素晴らしい言葉を作って壁に飾るだけでは意味がありません。従業員一人ひとりがそれを理解し、日々の業務で体現して初めて機能します。
MVVを組織に根付かせる(浸透させる)プロセスは、大きく「1. 認知(知る)」「2. 共感・理解(腹落ちする)」「3. 実践・行動(体現する)」の3つのフェーズに分けられます。それぞれのステップにおける具体的な施策例をご紹介します。
フェーズ1:認知(まずは全員が「知っている」状態を作る)
どんなに良いMVVでも、従業員が覚えていなければ始まりません。日常的に目や耳に触れる機会を増やします。
- クレドカード(行動指針カード)の配布: 名刺サイズのカードにMVVを記載し、常に携帯してもらう。
- 社内ツールへの表示: SlackやTeamsなどのチャットツール、社内ポータルの目立つ場所に常に掲示する。PCのスクリーンセーバーや壁紙にする企業もあります。
- 会議や朝礼での唱和・共有: 定例会議の冒頭でMVVを読み上げたり、今週のバリューを一つピックアップして共有したりする。
- グッズの作成: MVVのロゴやキーワードが入ったTシャツ、マグカップ、ステッカーなどを作り、日常的に使う。
フェーズ2:共感・理解(自分ごと化し、「腹落ち」させる)
言葉を知っているだけでなく、「なぜそのMVVなのか」「自分の業務にどう結びつくのか」を深く理解してもらうフェーズです。
- トップからのストーリーテリング: 経営層が「なぜこのMVVを作ったのか」「どんな原体験や想いがあるのか」を、全社会議や社内報などで自分の言葉で語り続ける。
- MVVワークショップの開催: 部署やチームごとに集まり、「私たちのチームでこのバリューを発揮するには、具体的にどんな行動をとるべきか?」をディスカッションする。
- 1on1での対話: 上司と部下の定期的な面談(1on1)の場で、「最近、一番バリューを体現できた仕事は何だった?」といったテーマで対話を行う。
フェーズ3:実践・行動(日々の業務や制度と結びつける)
MVVに沿った行動が「正しい」とされ、報われる仕組み(人事制度など)を作ることが、組織に根付かせる最大の鍵です。
- 人事評価への組み込み(バリュー評価): 営業成績などの「業績」だけでなく、「いかにバリューを体現したか」を評価項目に組み込む。バリューに反して数字だけを上げる人は高く評価しない仕組みを作る。
- 表彰制度(アワード)の実施: 半期や1年ごとに、「最もミッションに貢献した人」「特定のバリューを体現した人(バリュー賞)」を表彰し、全社で称賛する。
- ピアボーナス(称賛の仕組み): 従業員同士で、バリューを体現した行動に対して感謝のメッセージと共に少額のインセンティブ(ポイントなど)を送り合えるツール(Uniposなど)を導入する。
- 採用基準への反映: 面接の段階で「この候補者は私たちのバリューにフィットするか(カルチャーフィット)」を最重要視し、スキルが高くてもバリューに合わない場合は採用を見送る。
💡 MVVを根付かせるための最重要ポイント
- 経営陣が誰よりも体現する: 経営陣やマネージャー層がMVVに反する行動(例:「挑戦」を掲げているのに失敗を極端に責めるなど)をとると、一瞬でシラケてしまいます。トップ自らが最大の体現者であることが必須です。
- 中長期的な根気: 組織の文化を変えるには、最低でも数年単位の時間がかかります。一過性のイベントで終わらせず、何度も繰り返し発信・評価し続ける根気が必要です。
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